もくじ
1.財市場
2.貨幣-債券市場
3.IS-LM分析
4.労働市場
5.経済成長理論
6.国際マクロ経済学
マクロ経済学の全体像
ミクロ経済学では、「市場」という抽象化された世界をとりあつかいました。これに対して、マクロ経済学では、「国」を単位としてとりあつかいます。ミクロ経済学のように「市場」にまかせているだけでは解決できない問題があるので、それをとりあつかう「政府」の役割についてみることが多くなってきます。
マクロ経済学では市場を3つに分けます。①財市場、②貨幣-債券市場、③労働市場です。
①「財市場」では、GDP(国内総生産)のきまりかたをみます。この「財」にはサービスもふくまれております。生産者と消費者のやりとりをみるわけですから、これはミクロ経済学がとりあつかうものを、「国」という「マクロ」の視点でみることになります。
②「貨幣-債券市場」では、「貨幣」のしくみをみていきます。
③「労働市場」では、「労働」をとりあげ、おもに「失業」についてみていきます。
マクロ経済学の枠組みは、「ケインズ経済学」とも言われます。これはいわゆる「古典派経済学」と比較して学習する必要があります。とくに貨幣市場や労働市場では議論が分かれます。かんたんに言うと、次のようなメッセージになります(注)。
・古典派経済学 = 政府は余計なことをするな。
・ケインズ経済学 = 経済がうまくいかないときは政府の役割も大事だ
——
(注)ミクロ経済学の土台となっている「古典派」は、かならずしも「市場にまかせておけばうまくいく」といっているわけではないのですが、入門編では単純化しておきます。
関連動画「マクロ経済学の全体像」(9分52秒)
(→ ミクロ経済学のもくじ)
マクロ経済学のもくじ
マクロ経済学の全体像
1.財市場
1-1.国民所得とは何か?
1-2.三面等価の原則
1-3.有効需要の原理
1-4.国民所得の決定
1-5.乗数効果
1-6.「45度線」分析
1-7.インフレ・ギャップとデフレ・ギャップ
1-8.政府部門と海外部門をふくむモデル
2.貨幣-債券市場
2-1.貨幣市場と債券市場
2-2.貨幣需要
2-2-1.ケインズ派
2-2-2.古典派
2-3.貨幣供給
2-4.金融政策
3.IS-LM分析
3-1.IS-LM分析の全体像
3-2.IS曲線
3-3.LM曲線
3-4.IS-LM分析
3-5.財政政策と金融政策(1)「クラウディング・アウト」
3-6.財政政策と金融政策(2)「流動性のわな」
4.労働市場
4-1.AD曲線(総需要曲線)
4-2.AS曲線(総供給曲線)
4-3.AD-AS分析
4-4.フィリップス曲線
5.経済成長理論
5-1.ハロッド=ドーマー・モデル(ケインズ派)
5-1b.ハロッド=ドーマー・モデルを式で理解
5-2.ソロー=スワン・モデル(新古典派)
5-2b.ソロー=スワン・モデルを式で理解
6.国際マクロ経済学
6-1.国際収支
6-2.為替レートの決定
6-3.IS-LM-BPモデル(マンデル=フレミング・モデル)
6-3-1.資本移動が完全で、『固定相場』制度のケース
6-3-2.資本移動が完全で、『変動相場』制度のケース」