2-7.供給曲線 < 3-1.完全競争市場 > 3-2.市場均衡の安定性
(学習の目的)
「完全競争」市場の成立条件をまなびます。「独占」などの「不完全競争」市場は、この条件が成立していない状態です。
〔ミクロ3-1〕完全競争市場
0:00 はじめに / 0:38 完全競争市場 / 1:37 完全競争市場の成立条件 / 3:28 「無数のサンタが」/ 4:22 完全競争の仮定 / 4:54 仮定を外すとどうなるか
完全競争市場
- 「完全競争」市場においては、「消費者」と「生産者」は、「無数」に存在すると仮定します。
- よって、ある個人の行動が市場全体に影響を与えることはありません。
- この場合、各個人は市場全体で決まった「価格」を受け入れる(take)しかありませんので、「消費者」と「生産者」は「プライス・テーカー」であると仮定されます。
- 「価格を受け入れる」ことは、「価格が与えられる」ことと同じなので、別のいいかたでは、「価格を所与(given)とする」とも表現されます。
完全競争市場の成立条件
「完全競争」市場が成立する条件は、以下の4つになります。
(考え方)
- これらの条件は、現実的にはほぼ「ありえない」仮定ですが、この「ありえない」ことを考えるのが重要です。
- いくつかの仮定を置くことによって、考え方や説明の筋道である「理論」は「単純化」することができます。
- まず、最も単純な状態をみることから始めて、少しずつ仮定を外して複雑な説明をおこなっていきます。
仮定を外すとどうなるか?
「完全競争」の仮定を外すと、各個人の行動が「価格」に対する支配力を持つことになることになります。これは「独占」などの「不完全競争」市場にあたります。
(独占など→「5.不完全競争市場」)
- ①「無数の取引主体」や②「参入・退出が自由」という仮定を外すと、少数の消費者か生産者しか存在しない状態になります。
- ③「財の同質性」という仮定を外すと、市場で売買される財に「差」が存在することになります。
- これは「財の差別化」がされている「独占的競争」市場にあたります。
- 「独占的競争」は「不完全競争」市場ですが、①「無数の取引主体」が存在し、②「参入・退出」が自由である点は「完全競争」市場と同じです。
(情報の非対称性→「6-5.情報の非対称性」)
- ④「情報の完全性」という仮定を外すと、「情報の非対称性」という問題を考察できます。
- 財やサービスに対する情報は、現実的には「消費者」よりも「生産者」のほうが多く持つことが考えられます。これが「情報の非対称性」です。
→次は「市場均衡の安定性」です。均衡点のきまりかたをみていきます。
2-7.供給曲線 < 3-1.完全競争市場 > 3-2.市場均衡の安定性