3-1.IS-LM分析の全体像

(学習の目的)
IS-LM分析の全体像をまなびます。


(関連動画)IS-LM分析の全体像 New

IS-LM分析の基礎を学ぶ前に、そもそもIS-LM分析で何を学ぶのかを見ていきましょう。
(timeline)
0:10 マクロ経済学の全体像
3:48 I・S・L・Mが意味するもの
8:48 国民所得と利子率
13:43 定義とグラフの形
17:15 まとめ
17:54 今回の復習


「IS」と「LM」は何を指す?

  • IS曲線」は「財市場」をあらわします。
  • この「IS」は、「投資」(:investment)と「貯蓄」(S:saving)をあらわしています。
  • LM曲線」は「貨幣市場」をあらわします。
  • この「LM」は、「貨幣需要」(:Liquidity)と「貨幣供給」(:Money supply)をあらわしています。

国民所得と利子率

IS曲線とLM曲線は、それぞれの市場が均衡する「国民所得」と「利子率」のくみあわせを示しております。

  • 「国民所得」は「財市場」で決まる値ですが、「貨幣市場」にも影響を与えます。
  • また、「利子率」は「貨幣市場」で決まる値ですが、「財市場」にも影響を与えます。

よって、「国民所得」と「利子率」をとりあげることによって、「財市場」と「貨幣市場」の両方の分析ができることになります。


政策の効果をみる

  • マクロ経済学では、経済政策のあり方について考えます。
  • 経済政策には公共事業減税などの「財政政策」と、マネー・サプライを変化させる「金融政策」があります。
  • これらは、目標とする「国民所得」の水準を達成するためにおこなわれます。
  • このような政策の効果をみるために、「IS-LM分析」は用いられます。
  • 「IS曲線」と「LM曲線」が交わる点は、「財市場」と「貨幣市場」が同時に均衡する「国民所得」と「利子率」の組合せをしめしております。

財政政策」をおこなうと「IS曲線」がシフトします。
金融政策」をおこなうと「LM曲線」がシフトします。

  • 曲線がシフトしたことによって、新たな均衡点があらわされます。

シフト前の均衡点とシフト後の均衡点を比較することによって、経済政策に効果があったかどうかを説明します。


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