5-1.独占

4-2.厚生経済学の基本定理 < 5-1.独占 > (利潤最大化条件の導出) > 5-2.複占

(学習の目的)
独占企業の利潤最大化条件「限界収入=限界費用」(MR=MC)をまなびます。ここは頻出テーマです。


価格支配力

  • ここまでまなんできた「完全競争」市場では、企業は価格に対して影響を与えることはできない「プライス・テーカー」でした。
  • これに対して、「不完全競争」市場である「独占」企業は、製品の価格を自由に設定できる「価格支配力」を持っています。これを「プライス・メーカー」の仮定とよびます。

独占企業の行動

  • 「完全競争」市場における企業と同様に、「独占」企業も「利潤最大化」をもとめて生産をおこないます。

(完全競争市場の場合)

  • 「完全競争」市場では、「価格」は市場全体で決まります。
  • 企業は無数に存在するため、個々の企業はこの価格の決定プロセスに影響を与えることはできません。

(不完全競争市場の場合)

  • これに対して、「独占」市場では、「独占」企業だけが「生産者」として存在します(生産者は無数ではなく1つ)。
  • この「独占」企業は、自らの「利潤」が最大となるように「生産量」を調整することで、市場全体で決まる「価格」に影響を与えることができます。

独占企業の利潤最大化条件

  • ここまでまなんできた「完全競争」市場の利潤最大化条件は、「価格=限界費用」(P=MC)でした(→2-4.完全競争市場の場合)。

これに対して、「独占」企業の利潤最大化条件は、「限界収入=限界費用」(MR=MC)になります。

限界収入

生産量を1単位増加させたときの総収入の増加分」を「限界収入」(MR)といいます。


生産量が決まってから、価格が決まる

  • 「独占」企業は、「限界収入=限界費用」(MR=MC)となるように「生産量」を決定します。
  • そして、この「生産量」に対して「需要曲線」上で「価格」が決定することになります。
  • なぜならば「需要曲線」は、「消費者」が「この量なら、この価格を出していい」という意思を示したものだからです。

→そのほかの「利潤最大化条件の導出方法(不完全競争)」はこちら。


→次は「複占」です。企業の数は2つになります。

4-2.厚生経済学の基本定理 < 5-1.独占 > (利潤最大化条件の導出) > 5-2.複占