2-5.平均費用と平均可変費用 > 2-6.損益分岐点と操業停止点 > 2-7.供給曲線
(学習の目的)
利潤が出るかどうか(損益分岐点)と生産を続けるべきかどうか(操業停止点)の条件をまなびます。計算問題でもグラフの問題でもよく出ます。
価格が下がるにつれ、利潤は減少していきます。
損益分岐点
「総収入」と「総費用」が等しくなって、「利潤がゼロ」となる生産量と価格を示す点を「損益分岐点」といいます。
- 「損益分岐点」では、「価格=平均費用」となります。
- グラフであらわすと、「損益分岐点」は、「平均費用」曲線と「限界費用」曲線の「交点」となります。
操業停止点
企業が生産を停止する生産量と価格を示す点を「操業停止点」といいます。
- 「操業停止点」では、「価格=平均可変費用」となります。
- グラフであらわすと、「操業停止点」は、「平均可変費用」曲線と「限界費用」曲線の「交点」となります。
※ ここは重要なので、理由を理解するために「損益分岐点からさらに価格が下がっていく」状態をみていきましょう。
赤字でも生産を続けることがある
企業は赤字が発生した場合でも、生産を続行することがあります。それは、生産を停止した場合でも、「固定費用」(FC)が必要だからです。
- 生産を続行した場合の赤字が「固定費用」(FC)よりも小さければ、企業は生産を続行することによって「固定費用の一部」を回収することができます。
- なお、生産に応じて変化する「可変費用」(VC)は生産をおこなうことで回収できます。
さらに価格が下がると、「操業停止点」に至ります。
操業停止点に至る
企業が生産を停止する生産量と価格を示す点を「操業停止点」といいます。
- あまりにも価格が下がりすぎると、「固定費用」(FC)が回収できなくなるだけでなく、「固定費用」(FC)を上回る「赤字」が発生することになります。
- この場合は、生産を停止したほうが損失は少なくてすみます。
この関係を式で確認します。
「利潤」(π)は「総収入」から「総費用」を引いたものでした。
π=P・X-TC
「操業停止点」では、マイナスの利潤つまり赤字が固定費用と等しくなります。
π=-FC
この2つの式をまとめます。
P・X-TC=-FC
これを整理します。
P・X=TC-FC
「総費用」(TC)から「固定費用」(FC)を引いたものは「可変費用」(VC)です。
P・X=VC
両辺を生産量(X)で割ると、こうなります。
P=VC/X
「VC/X」は、「可変費用」(VC)を生産量(X)で割ったものですから、「平均可変費用」(AVC)のことです。
P=AVC
このようにして、操業停止点の条件を導き出すことができます。
→ 次は「供給曲線」です。限界費用曲線(MC)の一部が供給曲線になります。
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