1-6.需要曲線と需要の価格弾力性

1-5.価格の変化 < 1-6.需要曲線と需要の価格弾力性 > 1-7.さまざまな無差別曲線

(学習の目的)
需要曲線の形と需要の価格弾力性の関係をまなびます。需要の所得弾力性にくらべると、計算問題で出題されやすいテーマです。


価格が変化すると、それに応じて最適消費量が決定されます。これらの価格と消費量(需要量)のくみあわせをあらわしたものが需要曲線です。


需要曲線

  • 「需要曲線」は一般的に「右下がり」の形になります。これに対して、「ギッフェン財」の需要曲線は「右上がり」の形になります。

  • 「代替効果」のみを考慮した需要曲線を「ヒックス型需要曲線」とよびます。この需要曲線は必ず「右下がり」の形になります。
  • 「代替効果」と「所得効果」の両方を考慮した需要曲線を「マーシャル型需要曲線」とよびます。

需要の価格弾力性

需要の価格弾力性」とは、「価格が1%上昇したとき、消費量が何%変化するか」を示します。式であらわすと次の形になります(X:財の消費量、P:価格)。

※ 需要の価格弾力性はマイナスをかけて求めるのが一般的です。


財の分類:代替財と補完財

ある財の価格の変化は、他の財の消費量の変化に影響を与えることがあります。影響は2通りに考えられます。

代替財

  • ある財の「価格が上昇」した場合、一般的にその財の「消費量は減少」します。
  • この財の「代わりに」、別の財の「消費量が増加」する場合、この別の財のことを「代替財」(正確には「代替財」)といいます。
  • たとえば、「コーヒーと紅茶」の関係がこれにあたります。

補完財

  • ある財の「価格が上昇」した場合、一般的にその財の「消費量は減少」します。
  • この財と同じように、別の財の「消費量が減少」する場合、この別の財のことを「補完財」(正確には「補完財」)といいます。
  • たとえば、「コーヒーと砂糖」の関係がこれにあたります。

需要の交差価格弾力性

  • 「ある財の価格の変化」と「他の財の消費量の変化」は、「需要の交差価格弾力性」という形であらわされます。

「需要の交差価格弾力性」とは、「ある財の価格が1%上昇したとき、他の財の消費量が何%変化」するかを示します。

  • 代替財」は、「需要の交差価格弾力性」が「」になります。
  • 「代替財」の場合、ある財の「価格が上昇」した場合、別の財の「消費量が増加」します。
  • よって、「需要の交差価格弾力性」は「」になります。
  • 補完財」は、「需要の交差価格弾力性」が「」になります。
  • 「補完財」の場合、ある財の「価格が上昇」した場合、別の財の「消費量が減少」します。
  • よって、「需要の交差価格弾力性」は「」になります。

消費者理論の基礎の基礎については以上です。

→ 次は「さまざまな無差別曲線」です。

1-5.価格の変化 < 1-6.需要曲線と需要の価格弾力性 > 1-7.さまざまな無差別曲線