(3)学習の動機づけ

ここまでみてきたように、経済学はマネージメントの視点からみるとちょっとズレたところがあります。でも、試験科目である以上、学習はしておく必要があります。この学習を続けていくうえで重要なのは、きちんとした動機づけがなされていることです。

また、学問としての経済学と、試験科目としての経済学は、かなり違います。学問としての経済学は、この世の動きを説明するために試行錯誤するプロセスそのものことです。これに対して試験科目としての経済学があつかうのは、あくまでも「答えのある設問」です。試験では、理解がある程度のレベルに達しているかどうかを問います。実はこのようなチェックできるような設問は、あまりバリエーションはありません。したがって、過去問を練習して解法(つまり過去の成功パターン)を理解していくことが有効になります。

実業の世界に身をおいて中小企業診断士をめざされているみなさまにはいうまでもないことですが、実際の経済活動では正解の無い課題に出会うことが多いです。というよりも実業の世界では、正解の無い課題に「ひとまずの解決策」をみちびきだしてはじめて価値(つまりお金)を生みだせます。このダイナミックな世界に比べたら、試験科目としての経済学は構造的に見劣りするかもしれません。

ただ、実業の世界の知恵は学問の世界の知識とは、理解の回路が結ばれていないことが多いので、ここではそのお手伝いをしていきたいと思います。


次回は、設問の種類および難易度別の分類と、合格点をとるための効率的な戦術です。

→ (4)設問の分類と合格ライン