(学習の目的)
「為替レート」の意味をつかんでください。
為替レート
ある通貨と別の通貨の交換比率を「為替レート」(exchange rate:為替相場)といいます。
- 為替レートの表示の方法については、現在は「1ドル=~円」や「1ユーロ=~円」の形であらわされるのが一般的です。
- このような表示を「自国通貨建て為替レート」といいます。
円安と円高
- 「1ドル=80円」が「1ドル=100円」となった場合、ニュースの報道などでは、「円安」になったと表現します。
- これは、今まで80円で買えた1ドルの品物が、今後は100円出さないと買えないということです。
- 円の「価値」が「減った」したことから、「減価」とも表現します。
- 「1ドル=100円」が「1ドル=80円」となった場合は、「円高」と表現します。
- これは、今まで100円出さないと買えなかった1ドルの品物が、今後は80円で買えるということです。
- 円の「価値」が「増えた」ことから、「増価」とも表現します。
「為替レート」という表現
これらの「円安(減価)」と「円高(増価)」という表現の他に、関数を用いた数式などでは「為替レートが・・・」という表現がつかわれます。この表現は注意が必要です。
- 「1ドル=80円」が「1ドル=100円」となった場合は、「円安(減価)」です。
- この場合は、「為替レートが上昇」と表現します。
- 「1ドル=100円」が「1ドル=80円」となった場合は、「円高(増価)」です。
- この場合は、「為替レートが下降」と表現します。
- 数字の変化そのものをみたものが「為替レートが・・・」という表現で、通貨の価値をみたものが「円安(減価)」と「円高(増価)」という表現です。
輸出と輸入の関係
一般的に「円安」は「輸出に有利」で、「輸入に不利」になります。
- 円安は相手国からみると、今までと同じ自国通貨で、日本の品物をより安く買えることをあらわします。
- よって、日本の輸出は増えることになります。
- 逆に輸入は減ります。
- 輸出が増え、輸入が減ることから、輸出入の結果である「経常収支は改善」します。
- これに対して、一般的に「円高」は「輸入に有利」で、「輸出に不利」になります。
- 円高は日本にとっては、今までと同じ自国通貨(円)で、相手国の品物をより安く買えることをあらわします。
- よって、日本の輸入は増えることになります。
- 逆に輸出は減ります。
- 輸入が増え、輸出が減ることから、輸出入の結果である「経常収支は悪化」します。
マーシャル=ラーナー条件
- 自国通貨が「減価」すると「経常収支が改善」します。
- 自国通貨が「増価」すると「経常収支が悪化」します。
- ただし、この関係が成り立つには一定の条件が必要です。
この条件を「マーシャル=ラーナー条件」といいます。
- これはやや難しいので、ここでは、「一定の条件が必要だ」ということを確認しておいてください。
(経常収支の決定)
現時点では保留としておきます。