(学習の目的)
AD-AS分析では、財政政策と金融政策の効果を分析します。基本的に経済政策について、古典派は「無効」、ケインズ派は「有効」と主張していると考えればいいです。
古典派(財政政策)→無効
- 拡張的な財政政策をおこなうと、「AD曲線は右(上)シフト」します。
- このとき「国民所得は変化せず」、「物価は上昇」します。
よって、「財政政策は無効」になります。
古典派(金融政策)→無効
- 拡張的な金融政策をおこなうと、「AD曲線は右(上)シフト」します。
- このとき「国民所得は変化せず」、「物価は上昇」します。
よって、「金融政策は無効」になります。
ケインズ派(財政政策)→有効
- 拡張的な財政政策をおこなうと、「AD曲線は右(上)シフト」します。
- このとき「国民所得は増加」し、「物価は上昇」します。
よって、「財政政策は有効」になります。
ケインズ派(金融政策)→有効
- 拡張的な金融政策をおこなうと、「AD曲線は右(上)シフト」します。
- このとき「国民所得は増加」し、「物価は上昇」します。
よって、「金融政策は有効」になります。
物価の上昇(ディマンド・プル・インフレ)
- ケインズ派の考え方では、財政政策や金融政策によって「AD曲線」が右上シフトし、物価が上昇することが説明されました。
- このように、需要サイドが原因となって発生するインフレーションを「ディマンド・プル・インフレーション」といいます。
物価の上昇(コスト・プッシュ・インフレ)
- これに対して、AS曲線が右上シフトすることもありえます。この場合も物価は上昇します。
- 原因としては、原材料価格の上昇などがあげられます。
- このように供給サイドが原因となって発生するインフレーションを「コスト・プッシュ・インフレーション」といいます。
- 「ディマンド・プル・インフレーション」の場合、物価の上昇とともに国民所得も増加しております。
- これに対して、「コスト・プッシュ・インフレーション」の場合は、物価が上昇しているのにもかかわらず、国民所得は減少しております。
- このように、国民所得が減少している状態で、物価が上昇している状態を「スタグフレーション」といいます。
→ フィリップス曲線