「財市場」と「貨幣市場」に続いて、「労働市場」を分析します。「労働市場」では、「物価」と「賃金」、そして「失業率」がキーワードとなります。
- 「労働市場」で重要な数値は、時給などの「賃金率(w)」(wage)です。
- この賃金率が、高いのか低いのかは、「物価(P)」(prices)とも関係してきます。物価とは世の中のすべての財の価格の平均です。
- IS-LM分析にさらに労働市場の分析を加えたのがAD-AS分析です。IS-LM分析では、物価(P)は一定として分析をおこないました。
- 労働市場をあつかうAD-AS分析では、物価の変化と国民所得の関係を分析します。
もくじ
(あらすじ)
AD曲線(総需要曲線):IS-LM分析の応用
- (1)「AD曲線(総需要曲線)」では、「IS-LM分析」を発展させて、「財市場」と「貨幣市場」を同時に均衡させる「物価と国民所得」の組合せをみていきます。
AS曲線(総供給曲線):古典派とケインズ派の違いに注意
- (2)「AS曲線(総供給曲線)」では、「労働市場」をとりあげて、「物価と国民所得」の均衡をみていきます。
- AS曲線に関しては、「古典派」と「ケインズ派」では考え方が異なりますので注意が必要です。
AD-AS分析
- (3)「AD-AS分析」では、財政政策と金融政策の効果を分析します。
- 基本的に経済政策について、古典派は「無効」、ケインズ派は「有効」と主張していると考えればいいです。
- また、インフレの種類についてもみていきます。
インフレ率とはなにか?
- 経済の現状をみるためには、これらの賃金率や物価がどんな推移を示しているか、時間の観点から見る必要がでてきます。
- これが、「賃金上昇率(⊿w/w)」と「物価上昇率(⊿P/P)〔インフレ率ともいいます〕」です。
- この「物価上昇率」と「国民所得」の関係をみたのが「IAD-IAS分析」になります(ここでは保留)。
フィリップス曲線(物価版)
この他に、労働市場に関しては、「失業率」(U:Unemployment rate)に対する分析も重要になってきます。「賃金上昇率(物価上昇率)」と「失業率」を結びつけて分析するのが「フィリップス曲線」になります。
- (4)「フィリップス曲線」では、「物価上昇率」と「失業率」の関係を分析します。
- 両者の間には「トレード・オフ関係(負の関係)」があることを理解します。
- このテーマも、古典派とケインズ派では考え方が異なりますので注意が必要です。