「IS-LM分析」

マクロ経済学の頻出テーマ、IS-LM分析です。論述対策として、これ以上削ることができないエッセンスを抽出してみました。


【問】IS曲線とLM曲線について説明せよ。

【解答例】

(仮定)IS-LM分析においては、物価水準は一定であり、海外部門を捨象(しゃしょう)した閉鎖経済と仮定する。

IS曲線
(定義) IS曲線は、財市場が均衡する国民所得と利子率の組合せを示す。
(形状)一般的にIS曲線は、横軸に国民所得、縦軸に利子率をとったグラフでは、右下がりに表される。
(理由)なぜならば、投資は利子率の減少関数と仮定されるため、利子率が低下すると投資が増加し、国民所得が増加するからである。

LM曲線
(定義)LM曲線は、貨幣市場が均衡する国民所得と利子率の組み合わせを示す。
(形状)一般的にLM曲線は右上がりに表される。
(理由)この理由は次の通り。
 貨幣需要は、国民所得の増加関数であり、利子率の減少関数であると仮定する。
 国民所得が増加すると、貨幣の取引需要や予備的需要が増加し、貨幣市場は超過需要となる。
このとき、債券市場は超過供給となり、債券価格は下落する。 債券価格は利子率の減少関数であると仮定すると、利子率は上昇することになる。
 よって、国民所得が増加したことによって、利子率も上昇することになり、グラフは右上がりに表すことができる。

IS曲線とLM曲線の交点
なお、IS曲線とLM曲線の交点Eにおいては、財市場と貨幣市場が同時に均衡する国民所得と利子率の組み合わせとなっている。(515字程度)


外務省専門職では頻出です。最低限の部分点を失わないためにも、IS-LM分析の定義と形状については、必ず説明できるようにしておいてくだい。なお、東京都庁では出題されることはあまりなかったのですが、平成26年度の設問は、このIS-LM分析の理解が必要となっています。

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