経済学の学習ガイド

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6-1.外部性

(学習の目的)
公害などの外部不経済の問題点を分析します。

外部性

ある経済主体の意思決定(行動)が他の経済主体の意思決定に影響を及ぼすことを「外部性」(externality:外部効果)といいます。

  • 「外部性」のうち、他の経済主体にとって不利に働くものを「外部不経済」といいます。
  • 「外部不経済」の例としては、「公害」があります。
  • これに対して、他の経済主体にとって有利に働くものを「外部経済」といいます。
  • 「外部経済」の例としては、「養蜂家と果樹農家」があります。
  • ミツバチは作物の受粉の手助けをしてくれますので、果樹農家は受粉のコストを浮かすことができます。養蜂家はミツバチを飼育し、蜂蜜を生産するとともに、作物の受粉をおこなうことによって、間接的に果樹農家の生産活動を手助けすることになるのです。

私的限界費用と社会的限界費用

「外部性」については、とくにコスト面の分析が重要です。

  • 「供給曲線」をあらわす「限界費用」(MC)曲線を2つにわけます。
  • 「私的限界費用」(PMC)とは、「外部性を考慮しない限界費用」です。
  • 「社会的限界費用」(SMC)とは、「外部性を考慮した限界費用」です。

「外部不経済」と「外部経済」では、これらの「私的限界費用」(PMC)と「社会的限界費用」(SMC)の大小関係が異なります。

外部不経済

「外部不経済」の場合、「社会的限界費用>私的限界費用」(SMC>PMC)となります。

  • 企業が「社会」のことを考えずに、自分たちの利益のことだけを「私的」に追求した場合、「利潤最大化条件」は「価格=私的限界費用」(P=PMC)となります。
  • よって、「市場均衡点」は「需要曲線」と「私的限界費用」(PMC)曲線の交点になります。
  • これに対して、社会全体からみてのぞましい「パレート効率的」な資源配分は、「需要曲線」と「社会的限界費用」(SMC)曲線の交点で達成されます。
  • 「余剰分析」をおこなうと、「総余剰」が最大となります。
  • 「市場均衡点」と「パレート効率的」な資源配分がおこなわれる状態を比較すると、企業は社会的なコストを負わずに、低いコスト(私的限界費用)で生産をしていることがわかります。
  • よって、「外部不経済」では「過剰生産」となります。

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外部経済

「外部経済」の場合、「私的限界費用>社会的限界費用」(PMC>SMC)となります。

  • 「外部不経済」の場合と同様に、企業は「社会」のことを考えずに生産をおこないます。
  • 「利潤最大化条件」は「価格=私的限界費用」(P=PMC)となり、「市場均衡点」は「需要曲線」と「私的限界費用」(PMC)曲線の交点になります。
  • 社会全体からみてのぞましい「パレート効率的」な資源配分は、「需要曲線」と「社会的限界費用」(SMC)曲線の交点で達成されます。
  • このとき、「総余剰」が最大となります。
  • 「市場均衡点」と「パレート効率的」な資源配分がおこなわれる状態を比較すると、企業は社会全体からみると高いコスト(私的限界費用)で生産をしていることになります。
  • 「外部経済」では「過少生産」となります。

市場の失敗

企業が社会全体のことを考えずに行動した場合、「外部不経済」は「過剰生産」に、「外部経済」は「過少生産」になります。

  • これは、「市場」に任せた結果として「最適でない資源配分」がおこなわれたことになるので、「市場の失敗」になります。
  • この「市場」で解決できない問題をあつかうために、「政府」の役割が重要になってきます。

社会全体の利益のためには、政府が「パレート効率的」な資源配分が達成できるような「政策」をおこなう必要がでてきます。

ピグー的政策

  • 「外部不経済」は「過剰生産」です。よって、生産を抑制させる必要がでてきます。問題を解決するために必要なコストを「租税」の形で課すことによって、「私的限界費用」(PMC)を「社会的限界費用」(SMC)まで上昇させます。
  • このような税を「ピグー税」といいます。
  • 「外部経済」は「過少生産」です。よって、生産を促進するために、「補助金」を出す方法が考えられます。これによって、「私的限界費用」(PMC)を「社会的限界費用」(SMC)まで下げます。
  • このような補助金を「ピグー的補助金」といいます。

コースの定理

この他に、「外部性」による「加害者」と「被害者」が「自発的な交渉」をおこなって、「パレート効率的」な資源配分を達成することも考えられます。これを「コースの定理」といいます。

→ 費用逓減産業

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