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IS-LM分析の基礎

財市場と貨幣-債券市場をまとめて分析

「IS-LM分析」のお問い合わせが多いので、加筆します。

このIS-LM分析は、財市場と貨幣市場をあわせて分析します。2つの市場を同時に分析できますので、試験などでは、マクロ経済学の基礎が理解できているかを問うのに便利です。

IS-LM分析では、下にあるマクロ経済学の全体図のうち、「財市場」と「貨幣-債券市場」(まとめて資産市場ともいう)をあつかいます。これらに「労働市場」の分析を盛り込むと、「AD-AS分析」になります。

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IS-LM分析では、この財市場と貨幣-債券市場を、「国民所得(Y)」と「利子率(r)」の関係で結び付けていきます。

では、財市場と貨幣-債券市場について、それぞれ見ていきましょう。

IS曲線は「財市場」

IS曲線では、財市場を取り扱います。

1.財市場

一般的には、市場というと、ある財(パン、野菜…なんでもあてはまります)のサービスをやりとりをイメージします。家計は「消費者」として財を「需要」し、企業は「生産者」として財を「供給」します。これは、ミクロ経済学の考え方です。

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マクロ経済学では、もっと大きな見方をして、社会全体での財やサービスのやりとりをイメージします。

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市場では、消費者と生産者が、さまざまな財についてやりとりをおこないます。ここでやりとりされる財とは、誰かが生み出した「付加価値」のことです。これらの付加価値は、他人の付加価値とやりとりされます。付加価値は金銭で表示されますので、財の交換は貨幣を利用することになります。付加価値の合計がGDP(国内総生産)になります。記号であらわすと「Y(国民所得)」になります。

  • 【復習】→「1-2.三面等価の原則」・・・付加価値として、生み出されたもの(「生産」)は誰かの所得として「分配」され、この所得は別の財を買うために「支出」されます。

付加価値のやりとりは、貨幣を用いて行われるので、財市場と貨幣市場の結びつきがあることを確認しておいてください。

2.財市場は「利子率」で貨幣市場と結びつく

家計は「消費」をおこない、企業は「生産」をおこないます。この企業のおこなう「生産」は「投資」と結びついております。投資Investment:)とは、経済全体でみると、手に入れた所得のうち、消費しないでとっておいたもの(貯蓄Saving:)を、新たな生産に向けることです。企業は、金融機関にある貯蓄からお金を借りて投資に向けます。このとき、「利子率(r)」が重要になります。利子率が低ければ、お金が借り易くなるので、投資は増えます。逆に利子率が高いと、投資は減ってしまいます。これらの関係をあらわしたものが「3-2.IS曲線」になります。

3.政府の役割(財政政策)

実際の経済は、家計と企業の他に、政府の役割が重要になってきます。政府は租税や公債であつめた資金を「政府支出」の形で財市場に支出します。この政府支出を増減させる政策が、「財政政策」になります。IS曲線では、財政政策の効果をみることができます。

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※ 財市場に海外とのやりとりを組み入れると、輸出入を考えることになります。これは為替レート(e)と結びつけて考えます。モデルとしては、「6-3.IS-LM-BP分析」になります。

LM曲線は「貨幣-債券市場」

LM曲線では、「貨幣-債券市場」をとりあつかいます。

4.貨幣市場は「国民所得」で財市場と結びつく

「貨幣-債券市場」では、「お金」を取り扱います。

このお金はまず、財のやりとりで使われます。経済が成長して、国民所得(Y)が増加すれば、それだけ取引に貨幣が必要になります。ここで、国民所得がきまる財市場と貨幣市場の結びつきがでてきます。

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そして、お金は、さらにお金を儲けるためにも使われます。このとき、お金を金融機関に貨幣のまま預けるが、それとも、国債や社債などの債券を購入するか、人々は選択します。この決め手になるのが、「利子率(r)」です。債券の価格は利子率と負の関係になります。

5.貨幣市場は「利子率」で財市場と結びつく

また、利子率は、貨幣市場の状況、つまり貨幣需要()と貨幣供給()の関係によってきまります。この利子率の上下は、財市場の投資の増減と結びついています。ここでも、貨幣市場と財市場の結びつきが出てきます。

このように、貨幣-債券市場の関係をみたものが「3-3.LM曲線」になります。

6.中央銀行の役割(金融政策)

貨幣-債券市場でも、政府の役割が重要になってきます。まず、政府は債券として「国債」(公債)を発行します。家計や企業は資産を「国債」で運用するか、それとも「貨幣」のままで保有するか、国債の利回りと利子率を比較してきめます。

現代の社会では、貨幣は「中央銀行」が発行するしくみになっています。中央銀行が貨幣の発行量を調節して景気対策をおこなうことを「金融政策」といいます。LM曲線では、金融政策の効果をみることができます。

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※ 財市場と同じように、貨幣-債券市場にも海外とのやりとりを組み入れることができます。モデルとしては、「6-3.IS-LM-BP分析」になります。


以上でイメージをつかんだ上で、各ページをご覧いただければありがたいです。

  1. IS-LM分析の全体像
  2. IS曲線
  3. LM曲線
  4. IS-LM分析
  5. 財政政策と金融政策(1)「クラウディング・アウト」
  6. 財政政策と金融政策(2)「流動性のわな」

 

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